会社の経営指標 流動比率

先日横浜のお客様で、「ある程度現金が貯まってきたので、いくらか銀行の借入を繰上げ返済したいのですが、いくらぐらいが妥当でしょうか?」という相談を受けました。会社が資金不足に陥り倒産してしまう場合、大抵の場合、「流動負債」を返済できず倒産します。今回は「流動負債」をつかった指標の1つ「流動比率」を説明させて頂きます。

 

流動比率とは

流動比率」とは流動負債の返済能力を見る指標のひとつで、会社の安定性をみます。

 

流動比率=「流動資産」/「流動負債」

流動資産 → 1年以内に現金化できる資産になります。具体的には現預金、受取手形、売掛金、棚卸資産などがあります。

*流動資産の中に長期未回収となっている貸倒懸念の売掛金、価値のない不良在庫などが入っている場合、流動資産から除外する必要があります。

流動負債 → 1年以内に返済義務のある負債になります。具体的には買掛金、短期借入金、未払金、未払給与などがあります。

 

流動比率の指標

流動資産が500万、流動負債が250万の場合、流動比率は「2」になり、流動負債をまかなうだけの十分な資金があるといえるでしょう。

一般的には流動比率が「1」を切っていると危険な状態といわれています。「2以上」つまり200%以上あれば、当面は大丈夫だろうと考えられ、理想と言われています。

 

業種によって違う?

流動比率の指標が一般的には「2」、200%あることが理想ですが、業種によっては一般論が当てはまらない業種があります。

小売業・・・「日銭」が入る業種のため、現金の回収が確実で資金化が早いため、100%を下回っても問題ないといわれています。

電力や鉄道会社・・・設備投資額は大きいですが、普段はそれほどの大きな出費がなく日銭が入り、キャッシュフローが安定しているため流動比率が60%程度でも十分に資金が回ると考えられます。

病院、介護ヘルパーの会社・・・国への保険請求があり、現金化に時間がかかるため、150%ほどでも資金繰りがしんどいことがあります。

 

流動資産に関しては、ケースバイケースで考えなければなりませんが、一般的には「流動資産」、「流動負債」の額を比べることで、会社の安定性をある程度の判断が出来ますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。

 

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消費税の還付の落とし穴

消費税においては、中小事業者の納税事務負担などに配慮して、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者については、納税義務が免除されます。したがって、新たに設立された法人については基準期間が存在しないため、設立1期目及び2期目は原則として免税事業者となります。

しかし、その事業年度の基準期間がない法人のうち、その事業年度開始の日における資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上である法人や特定新規設立法人については、その基準期間がない事業年度における課税資産の譲渡等について納税義務を免除しないこととする特例が設けられています。

なお、この特例の適用を受ける法人であっても、設立3期目以後の課税期間における納税義務の有無の判定については、原則どおり、基準期間における課税売上高で行うこととなります。

 

これはどういうことでしょうか? 具体的に注意が必要なケースを見ていきましょう。

設立後の資本金は変わらす1,000万円で1期目の売上と仕入は0、2期目の売上は年500万円で、3期目の売上は1,000万円で、2,000万円の大型設備投資(機械装置)をするケースを考えてください。

この場合の消費税の取り扱いはどうなるでしょうか。

1期目の期首資本金は1,000万円の為、課税事業者となります。ですが、課税売上、課税仕入とも0ですから納付すべき消費税はありません。

2期目の期首資本金も1,000万円の為、課税事業者となります。課税売上が500万円あるため、預かった消費税から支払った消費税を差し引いた残額を納付する必要がでてくると思われます。

3期目は課税売上である1,000万円を課税仕入である2,000万円が超えているので、消費税の還付を受けたいです。ただ、3期目は課税事業者でしょうか? 期首資本金が1,000万円ではありますが、基準期間である1期目の課税売上高が1,000万円以下であるため課税事業者ではなく免税事業者となってしまいます。

この場合は、2期目にある届出をしなければ3期目は課税事業者とはならず、消費税の還付を受けることができません。その届出とは「消費税課税事業者選択届出書」です。これを適用を受けようとする課税期間の初日の前日、つまり3期目の期首の前日までにこの届出を提出する必要があります。

この届出を提出しないだけで受けられていた還付金を受けられないのはつらいので相当の注意が必要です。

また、消費税課税事業者選択届出書は2年継続適用ですので、還付の翌事業年度のことも考慮する必要があります。

ケースバイケースで還付を受けられるかが変わってきますので、詳しくは当事務所にお問い合わせ頂ければとおもいます。

 

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