法人設立(法人成り) 決算月のポイント

法人を設立したときに意外と悩むのが決算月をいつにするか、ということです。
決算月は必ず3月と思っている人もいるようですが、法人の決算月は何月でも自由に決められます。

決算月について、アドバイスさせて頂くのが次の3点です!

① 決算月を繁忙期にしない

決算月を繁忙期にすると想定外の売上があがり、思いもよらない税負担をすることがあります。

また、決算業務は様々なので本業に影響を及ぼしかねません。

 

② 消費税の免税期間を考慮する

先日3月初旬設立で3月決算というのがありました。このケースでは免税期間は1年1か月になる場合があります。

中小企業の場合、2事業年度は消費税を納めなくて済みます。

(資本金が1000万円以上の場合、特定期間の課税売上高が1000万円超の場合を除きます。)この期間が長くなるように設定すると良いでしょう。(etc. 1月設立の場合は12月決算のように)

 

③ 資金繰りを考える

決算月の2か月後が申告月及び税金の納付期限になります。(etc.5月決算の場合は7月申告)。

賞与を支給する法人などは、賞与支給月と税金納付月が重ならないようにしたほうが良いでしょう、(etc.7月が賞与なら5月決算は避ける)。

他にも補助金の関係とかグループ会社、取引先の決算月など考慮する点はあると思いますが、上記3点はおさえて頂きたいです。

 

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退職金の税制優遇(会社設立後に抑えておきたい事項)

退職金の税制優遇

退職金は税金面で非常に優遇されているのをご存じでしょうか?

どのような点で優遇されているかと言いますと,まず第1に退職所得控除です。

① 退職所得の金額は、次のように計算します。

(収入金額 - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額

(注) 特定役員退職手当等に該当する場合には1/2を乗じません。

また退職所得控除額は、次のように計算します。

1. 勤続年数が20年以下・・・40万円×勤続年数(80万円以下の場合は、80万円)

2. 勤続年数が20年超 ・・・70万円×(勤続年数-20年)+800万円

 

例): 勤続年数が30年の人の場合の退職所得控除額

800万円+70万円×(勤続年数-20年)=800万円+70万円×10年=1,500万円

となりますので、退職金の額が1,500万円以下であれば課税されませんし、退職金の額が1,500万円を超えていても退職金の額から1,500万円を控除してもらえます。

 

② 高額の退職金をもらう人は退職所得控除を差し引いても退職所得の金額が残ります。

この場合でも課税する金額を2分の1だけにするという点が第2の優遇です。

例): 勤続年数が30年の人で退職金の額が5,000万円の場合の退職所得の金額

(5,000万円―1,500万円)×1/2=1,750万円

になります。5,000万円の退職金なのに1,750万円にしか課税されないというのはかなりの税制面での優遇ではないでしょうか。

 

③ 最後の優遇は、原則として他の所得と分離して所得税額を計算する点です。

これは分離課税という制度で退職金については給与とは分離して課税されます。

高額な給与をもらっている人でも退職金は別枠で0から課税額を計算してくれるということです。
なお、退職手当等の支払の際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人については、退職手当等の支払者が所得税額及び復興特別所得税額を計算し、その退職手当等の支払の際、正規の所得税等の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。

一方、「退職所得の受給に関する申告書」の提出がなかった人については、退職手当等の支払金額の20.42%が源泉徴収されますが、退職所得の受給者本人が確定申告を行うことにより所得税額及び復興特別所得税額の精算をします。

 

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決算対策 短期前払費用の特例

会社設立(法人成り)後、決算申告間際になり、利益がでているときに何か決算対策で良い方法は無いですか?と言われることがあります。
こんなとき決算期末直前の節税対策として短期前払費用の特例の活用が考えられます。

① 短期前払費用の特例

前払費用→原則として、支出した時に資産に計上し、役務の提供を受けた時に損金の額に算入すべきものです。

ただし、法人が前払費用の額で、その支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、その支払時点で損金の額に算入することが認められます。これを短期前払費用の特例といいます。

ただし、借入金を預金、有価証券などに運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、たとえ1年以内の短期前払費用であっても、支払時点で損金の額に算入することは認められませんので注意してください。(法人税基本通達2-2-14)とされています。

② 短期前払費用の具体例

短期前払費用の特例で良く検討されるのは家賃や保険料が多いのではないでしょうか。

例)

事務所家賃に関わる賃料について、毎年、家賃年額(4月から翌年3月分)1,200,000円を3月末に前払により支払う場合

→ 支払った事業年度の損金の額に算入することができます。

ただし、事務所家賃に関わる賃料について、毎年、家賃年額(4月から翌年3月分)1,200,000円を2月に前払により支払った場合については、支払った日から1年以内に役務の提供を受けないことから短期前払費用の特例の適用はありません。

③ 短期前払費用の特例についての注意点

1. 毎期継続適用すること ・・・・ 一旦年払いとして短期前払費用の特例を適用した場合、毎期継続適用をしていく必要があります。前期は利益が出たから家賃を年払にしたけど、今期は利益が出てないから家賃を月払いにするということができません。

2. 等質・等量の役務の提供であること ・・・・ 家賃、保険料、リース料、保守料などが該当しますが、税理士報酬などは該当しません。

3. 契約に基づいていること  ・・・・ 貸主や不動産会社から、月払いから年払いに変更した旨の覚書などの書類をもらうようにしましょう。もともと月払いの契約だったものを契約書の変更なしで年払いしたとしても適用は認められません。

4. 重要性の原則から考えて問題がないこと  ・・・・ 金額についての基準はありませんが、高額な前払いについては慎重に決定する必要があります。金額的に大きすぎるものは認められない場合があります。

短期前払費用の特例については、来期の費用を今期の費用とするため適用初年度のみ節税効果があります。次年度以降は年払いとなるため、資金繰りなどにも影響がでますので注意が必要です。

 

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法人成り(会社設立)した場合に忘れがちな経費計上

法人成り(会社設立)をした場合に最も忘れやすい経費と思われる個人事業税の見込み控除について確認していきたいのですが、その前に個人事業税について触れておきましょう。

① 個人事業税の概要
個人事業税は事業主すべてに課税されるわけではありません。1年間事業活動を行った場合、事業主控除として290万円が控除されます。つまり、年間の事業所得が290万円以下の場合には、個人事業税はかかりません。

② 個人事業税の計算方法
(収入-必要経費-各種控除-事業主控除290万円)×税率

※税率
①第一種事業(販売業、製造業等)・・・5%
②第二種事業(畜・水産業等の原始産業)・・・4%
③第三種事業(医業・法務業等の原則として自由業)・・・5%
④第三種事業のうち、あんま、はり等の事業・・・3%

納付については8月頃に都道府県税事務所から納税通知書が送られてきます。
8月末日と11月末日の2回に分けて納税することになります。

③ 個人事業税の見込控除
H30年分の所得については、H31年3月15日までに所得税の確定申告を行います。
それを基に個人事業税が計算されR1年8月頃に通知がくることになります。

通常であればこの納付する個人事業税はH31年度の租税公課として経費にすることができます。ただし、H30年中に法人成りした場合はどうでしょうか?
H30年中に個人事業は廃止されていますので、納付するのは法人成りした後になってしまいます。そこでこの個人事業税の見込控除を計算してH30年分の経費として計上していくのです。

④ 個人事業税の見込控除の計算式

見込控除額=(A±B)×税率÷(1+税率)
A・・事業税の課税見込額を控除する前の個人事業を廃業した年分の事業所得の金額
B・・事業税の課税標準額の計算上Aの金額に加算し又は減算する金額
(加算する金額は青色申告特別控除額 65万円か10万円 / 減算する金額は事業主控除額290万円)

<計算例>
法人成り日・・・平成30年7月1日

個人事業廃止日・・・平成30年6月30日

平成30年1月1日~平成30年6月30日までの事業所得金額・・・735万円(税率は5%として計算)

 

(735万円+65万円-※290万円×6月/12月)×0.05÷(1+0.05)=311,904円
※千円未満の端数がある場合は切り上げ

この311,904円をH30年に租税公課として経費計上することができるのです。
非常に忘れやすい経費ですので注意が必要です。

 

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事務所移転のお知らせ

9月2日より事務所を移転させて頂きました。

郵便番号221-0835

神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町 3-29-1

TSURUYA-CHO HEIGHTS 1104

お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

法人設立(法人成り)と申告・消費税

暦年の途中で法人成り(法人設立)をした場合

1月1日から法人設立日までは事業所得となります。

法人設立日以降は法人から給与をもらうことになると思いますので給与所得となります。

つまり、個人として考えると1月1日~法人設立日までは事業所得、法人設立日~12月31日は給与所得となりますので、それぞれの所得を合算して翌年3月15日までに確定申告をする必要があります。

翌年中の所得は給与所得のみになりますので他の所得が無ければ会社での年末調整で納税関係は完結します。

 

*例)

個人事業主Aが法人成りして法人BをH30.7.1に法人設立した場合の申告については以下の通りです。

個人A・・・H30年1月1日~H30年6月30日 → 事業所得・・①

H30年7月1日~H30年12月31日 → 給与所得・・②

①と②を合算して、H31年3月15日までに確定申告をします。

H31年1月1日~R1年12月31日 → 給与所得のみなので法人Bで年末調整をします。

法人B・・・H29年7月1日に法人設立をしていますが決算月を何月にするかをまず考える必要があります。

通常、消費税の免税期間を考慮すると6月決算が第一候補かと思います。例えば、6月決算にすると第1期目のH30年7月1日~R1年6月30日を法人Bとして決算申告をする必要があります。

 

法人成りの決算月と消費税

前例ですと1期目を12ヶ月としましたがここで気をつけなければならないポイントがあります。

建設業などで給与の支払いが生じている個人事業主が法人成りをした場合注意が必要です。
消費税が1期目、2期目は免税が原則ですが、

H25.1.1以後に開始する事業年度については特定期間(1期目の法人設立日~6月の期間)の課税売上高又は給与支払額が1,000万円を超えると2期目から消費税が課税されてしまいます。

*例)

H30.7.1~H30.12.31(1期目の法人設立日~6月の期間)の給与額が、

役員50万円賃金30万円×4人とすると計170万円/月になりますので、6ヶ月では170万円×6ヶ月=1,020万円>1,000万円となります。

このケースだと、H31.7.1~R1.6.30の2期目から消費税を納税しなければならなくなります。
こういったケースでも2期目の消費税を免税にする方法があります。

それは、1期目を7カ月にすることです。そうすることによって1期目は特定期間にはならず、1期目の7カ月と2期目の12ヶ月の計19カ月を免税にすることができます。

 

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会社設立、個人が事業を始めた時の税務署への届出書等とその提出期限

個人が事業を始めた時の税務署への届出書等とその提出期限

1. 個人事業の開廃業届出書・・・事業開始等の日から1ヶ月以内

2. 所得税の青色申告承認申請書・・・承認を受けようとする年の3月15日まで
(その年の1月16日以後に開業した場合には、開業の日から2ヵ月以内)

3. 青色事業専従者給与に関する届出書・・・青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後開業した場合や新たに事業専従者を有することとなった場合には、その日から2ヵ月以内)給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書・・・開設の日から1ヶ月以内

4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書・・・随時

その他任意の届出書として、所得税の棚卸資産の評価方法、減価償却資産の償却方法の届出書などがあります。また、消費税については課税事業者になった場合や課税事業者を選択する場合などは別途届出書が必要になりますので注意が必要です。

 

法人を設立した場合の税務署への届出書等とその提出期限

1. 法人設立届出書・・・設立の日(設立登記の日)以後2ヵ月以内

2. 青色申告の承認申請書・・・設立の日以後3ヶ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日まで

3. 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書・・・開設の日から1ヶ月以内

4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書・・・随時

その他任意の届出書として、棚卸資産の評価方法の届出書、減価償却資産の償却方法の届出書、有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書などがあります。また、消費税については課税事業者になった場合や課税事業者を選択する場合などは別途届出書が必要になりますので注意が必要です。

青色申告承認申請書の提出を忘れないで

税理士を変更されてきた会社や設立間もない会社でたまにみかけるのが青色申告の承認申請書を提出していないケースです。

1期目などは赤字になる場合が多かったりするので欠損金の繰り越しができないと大きな損害になることもあります。法人成りした場合は個人事業時に提出していても再度提出する必要があります。青色申告承認申請書は期限内に提出するだけで下記の特典がうけられますので必ず提出してください。

青色申告の主な特典

<法人の場合>

• 様々な法人税額の特別控除
• 欠損金の繰戻しによる前1年以内の法人税額の還付
• 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
• 欠損金の翌期以降9年間の繰越控除

<個人事業の場合>

• 家族への給与が必要経費になる
• 赤字損失分を3年間繰越できる
• 減価償却の特例が受けられる
• 最高65万円の特別控除

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