競馬の払戻金と税金

顧問先の業績向上、黒字化を本気で考えている税理士事務所
「会社設立、創業融資税理士」横浜市神奈川区のウィズグロース会計事務所です。

 

2026年は午(うま)年ですね。
せっかくなので、「馬」にちなんで競馬の払戻金と税金(所得区分)をシンプルに整理してみます。

競馬をしない方にとっても、

  • 一時所得と雑所得の違い
  • どんな場合に外れ馬券まで経費になり得るのか

という視点は、副業や投資の線引きにもそのまま使える考え方です。

 

1.一時所得と雑所得の違い

一時所得:懸賞・競馬など「たまたまの収入」。50万円の特別控除+その後の金額の1/2だけが課税対象になる一方、「収入を得るために支出した金額」の範囲は限定的。

雑所得:他のどの所得にも当たらない“残り枠”。副業など「営利を目的とする継続的な行為」も含み、総収入 − 必要経費で計算するが、一時所得のような特別控除や1/2課税はない。

税法上も、

  • 一時所得:営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の「一時の所得」
  • 雑所得:他の8種類の所得にも一時所得にも当てはまらない所得(年金や副業収入など)

と整理されています。

 

2.競馬の払戻金は「原則」一時所得

競馬や競輪の払戻金は、特別なケースを除き「一時所得」として扱われます。
(※「営利を目的とする継続的行為から生じたもの」は除かれます)

一時所得の金額は、次の式で求めます。
一時所得の金額 = 総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)

競馬でいえば、イメージとしては

  • 当たり馬券の払戻金 … 総収入金額
  • その当たり馬券の購入代金 … 収入を得るために支出した金額

という考え方です。

さらに、この「一時所得の金額」の2分の1だけが、他の所得と合算されて課税対象になります。

国税庁のリーフレット(払戻金用の計算書)でも、
当たったレースごとに「払戻金の受取額」と「その当たり券の投票額」を入力する形式になっており、
実務上は、当たり馬券に対応する部分を中心に計算する形になっています。

 

3.ごく一部だけ「雑所得」になるケース

もともと、競馬の払戻金は態様や規模にかかわらず一律に一時所得として扱われていましたが、
平成27年の最高裁判決(いわゆる「外れ馬券事件」)をきっかけに、取扱いが整理し直されました。

最高裁がポイントとして挙げたこと

  • ソフト等を使い、独自の条件・計算式に基づいて
  • インターネットで長期間・多数回・頻繁に馬券を購入し
  • ほぼ全レースを網羅するような形で
  • 数年にわたって多額の利益を恒常的に上げていた

 

このような場合には、

  • 馬券購入は「営利を目的とする継続的行為」であり、払戻金は一時所得ではなく雑所得
  • 一連の馬券購入は「一体の経済活動」なので、外れ馬券を含むすべての馬券代金が必要経費になり得る

という整理が示されました。

これを受けて、所得税基本通達(一時所得の例示)が改正され、

  • 上記のような「プロ級」の購入パターンだけを雑所得とし、
  • それ以外の競馬の払戻金は、これまでどおり一時所得

とすることが明確にされています。

 

4.自分は一時所得寄り?雑所得寄り?

ここからは、通達の内容を踏まえた一般的な目安です。

一時所得寄り(ほとんどの人はこちら)

  • 仕事や生活の中心は別にあり、競馬は「趣味・娯楽」
  • 買うレースや金額に、年間を通じた投資計画まではない
  • 年間トータルでは、利益が出たり出なかったり(赤字の年も多い)
  • 購入記録はあるが、「機械的・網羅的・大規模」というほどではない

→ 通達上も、原則どおり一時所得として扱われると考えるのが自然なゾーンです。

雑所得寄り(ごく一部の“プロ級”ケース)

  • 長期間にわたり、ほぼ毎週、多くのレースに継続・網羅的に投票している
  • 自動購入ソフトなどを用い、独自ロジックで「回収率100%超」を狙っている
  • 実際に、数年にわたって多額の利益を恒常的に出している
  • こうした購入態様が、投票口座やソフト設定、JRAの投票履歴などで客観的に示せる

→ このようなケースは、最高裁判決で問題となった事案像に近く、
条件を満たせば雑所得+外れ馬券も必要経費となる余地があります。

 

5.まとめと注意点

  • 競馬の払戻金は、税務上原則として一時所得です。
  • 最高裁判決と通達改正により、
    ソフト等を用いた機械的・網羅的・大規模な購入で、多額の利益を恒常的に上げているごく一部のケースについては、
    雑所得として外れ馬券も必要経費に含め得ることが明確になりました。
  • ただし、通達上も「それ以外は一時所得」と整理されており、
    ほとんどの方は今も一時所得の計算で完結します。

 

今回は午年にちなみ競馬の払戻金を例にしましたが、
一時所得と雑所得の違いは、日常の副業や投資にもそのまま当てはまるテーマです。

 

横浜の会社設立や法人化のご相談・ご依頼は、横浜市神奈川区の税理士ウィズグロース会計事務所にお任せ下さい!

もちろん会社設立や法人化以外のご相談も随時受付けています。横浜市以外からも多数ご依頼をいただいております。相談料は無料で対応しています。横浜で税理士をお探しの場合は是非お問合せ下さい。