法人成り(会社設立)した場合に忘れがちな経費計上

法人成り(会社設立)をした場合に最も忘れやすい経費と思われる個人事業税の見込み控除について確認していきたいのですが、その前に個人事業税について触れておきましょう。

① 個人事業税の概要
個人事業税は事業主すべてに課税されるわけではありません。1年間事業活動を行った場合、事業主控除として290万円が控除されます。つまり、年間の事業所得が290万円以下の場合には、個人事業税はかかりません。

② 個人事業税の計算方法
(収入-必要経費-各種控除-事業主控除290万円)×税率

※税率
①第一種事業(販売業、製造業等)・・・5%
②第二種事業(畜・水産業等の原始産業)・・・4%
③第三種事業(医業・法務業等の原則として自由業)・・・5%
④第三種事業のうち、あんま、はり等の事業・・・3%

納付については8月頃に都道府県税事務所から納税通知書が送られてきます。
8月末日と11月末日の2回に分けて納税することになります。

③ 個人事業税の見込控除
H30年分の所得については、H31年3月15日までに所得税の確定申告を行います。
それを基に個人事業税が計算されR1年8月頃に通知がくることになります。

通常であればこの納付する個人事業税はH31年度の租税公課として経費にすることができます。ただし、H30年中に法人成りした場合はどうでしょうか?
H30年中に個人事業は廃止されていますので、納付するのは法人成りした後になってしまいます。そこでこの個人事業税の見込控除を計算してH30年分の経費として計上していくのです。

④ 個人事業税の見込控除の計算式

見込控除額=(A±B)×税率÷(1+税率)
A・・事業税の課税見込額を控除する前の個人事業を廃業した年分の事業所得の金額
B・・事業税の課税標準額の計算上Aの金額に加算し又は減算する金額
(加算する金額は青色申告特別控除額 65万円か10万円 / 減算する金額は事業主控除額290万円)

<計算例>
法人成り日・・・平成30年7月1日

個人事業廃止日・・・平成30年6月30日

平成30年1月1日~平成30年6月30日までの事業所得金額・・・735万円(税率は5%として計算)

 

(735万円+65万円-※290万円×6月/12月)×0.05÷(1+0.05)=311,904円
※千円未満の端数がある場合は切り上げ

この311,904円をH30年に租税公課として経費計上することができるのです。
非常に忘れやすい経費ですので注意が必要です。

 

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法人設立(法人成り)と申告・消費税

暦年の途中で法人成り(法人設立)をした場合

1月1日から法人設立日までは事業所得となります。

法人設立日以降は法人から給与をもらうことになると思いますので給与所得となります。

つまり、個人として考えると1月1日~法人設立日までは事業所得、法人設立日~12月31日は給与所得となりますので、それぞれの所得を合算して翌年3月15日までに確定申告をする必要があります。

翌年中の所得は給与所得のみになりますので他の所得が無ければ会社での年末調整で納税関係は完結します。

 

*例)

個人事業主Aが法人成りして法人BをH30.7.1に法人設立した場合の申告については以下の通りです。

個人A・・・H30年1月1日~H30年6月30日 → 事業所得・・①

H30年7月1日~H30年12月31日 → 給与所得・・②

①と②を合算して、H31年3月15日までに確定申告をします。

H31年1月1日~R1年12月31日 → 給与所得のみなので法人Bで年末調整をします。

法人B・・・H29年7月1日に法人設立をしていますが決算月を何月にするかをまず考える必要があります。

通常、消費税の免税期間を考慮すると6月決算が第一候補かと思います。例えば、6月決算にすると第1期目のH30年7月1日~R1年6月30日を法人Bとして決算申告をする必要があります。

 

法人成りの決算月と消費税

前例ですと1期目を12ヶ月としましたがここで気をつけなければならないポイントがあります。

建設業などで給与の支払いが生じている個人事業主が法人成りをした場合注意が必要です。
消費税が1期目、2期目は免税が原則ですが、

H25.1.1以後に開始する事業年度については特定期間(1期目の法人設立日~6月の期間)の課税売上高又は給与支払額が1,000万円を超えると2期目から消費税が課税されてしまいます。

*例)

H30.7.1~H30.12.31(1期目の法人設立日~6月の期間)の給与額が、

役員50万円賃金30万円×4人とすると計170万円/月になりますので、6ヶ月では170万円×6ヶ月=1,020万円>1,000万円となります。

このケースだと、H31.7.1~R1.6.30の2期目から消費税を納税しなければならなくなります。
こういったケースでも2期目の消費税を免税にする方法があります。

それは、1期目を7カ月にすることです。そうすることによって1期目は特定期間にはならず、1期目の7カ月と2期目の12ヶ月の計19カ月を免税にすることができます。

 

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会社設立、個人が事業を始めた時の税務署への届出書等とその提出期限

個人が事業を始めた時の税務署への届出書等とその提出期限

1. 個人事業の開廃業届出書・・・事業開始等の日から1ヶ月以内

2. 所得税の青色申告承認申請書・・・承認を受けようとする年の3月15日まで
(その年の1月16日以後に開業した場合には、開業の日から2ヵ月以内)

3. 青色事業専従者給与に関する届出書・・・青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後開業した場合や新たに事業専従者を有することとなった場合には、その日から2ヵ月以内)給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書・・・開設の日から1ヶ月以内

4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書・・・随時

その他任意の届出書として、所得税の棚卸資産の評価方法、減価償却資産の償却方法の届出書などがあります。また、消費税については課税事業者になった場合や課税事業者を選択する場合などは別途届出書が必要になりますので注意が必要です。

 

法人を設立した場合の税務署への届出書等とその提出期限

1. 法人設立届出書・・・設立の日(設立登記の日)以後2ヵ月以内

2. 青色申告の承認申請書・・・設立の日以後3ヶ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日まで

3. 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書・・・開設の日から1ヶ月以内

4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書・・・随時

その他任意の届出書として、棚卸資産の評価方法の届出書、減価償却資産の償却方法の届出書、有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書などがあります。また、消費税については課税事業者になった場合や課税事業者を選択する場合などは別途届出書が必要になりますので注意が必要です。

青色申告承認申請書の提出を忘れないで

税理士を変更されてきた会社や設立間もない会社でたまにみかけるのが青色申告の承認申請書を提出していないケースです。

1期目などは赤字になる場合が多かったりするので欠損金の繰り越しができないと大きな損害になることもあります。法人成りした場合は個人事業時に提出していても再度提出する必要があります。青色申告承認申請書は期限内に提出するだけで下記の特典がうけられますので必ず提出してください。

青色申告の主な特典

<法人の場合>

• 様々な法人税額の特別控除
• 欠損金の繰戻しによる前1年以内の法人税額の還付
• 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
• 欠損金の翌期以降9年間の繰越控除

<個人事業の場合>

• 家族への給与が必要経費になる
• 赤字損失分を3年間繰越できる
• 減価償却の特例が受けられる
• 最高65万円の特別控除

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会社設立時に気をつけたいポイント

会社設立時の資本金はいくらにするべきか?

新設法人のお客様のお仕事をさせて頂く場合、登記終了後(会社設立後)にご契約頂くことがほとんどですので、弊社が登記の重要事項のアドバイス、提案をさせて頂く機会がなかなかないのが現状です。

そのような経緯からご契約頂いたお客様の登記内容をみますと、登記前(会社設立前)にご相談頂いていれば、弊社のアドバイス・提案のもと、法人様がより良い会社運営が出来たのになあと思うことがしばしばございます。

今回は登記前に弊社が必ず、確認する「会社設立時に検討して頂きたいポイント」の中から資本金について説明させて頂きます。

1 消費税2年間の免税

資本金が10,000,000円以上になりますと、通常は設立3期目から発生する消費税が設立1期目から発生してしまいます。
業種、規模等にもよりますが、モデルケースを紹介します。

(売上3,000万円の各業種のおおよその年間の消費税額)

建設業      720,000円
飲食業      960,000円
ソフトウエア業 1,200,000円

通常ですと、設立2期目までは消費税がかかりませんので、仮に会社設立時資本金10,000,000円以上ですと、

建設業で1,440,000円(1~2期@720,000円)、

飲食業で1,920,000円(1~2期@960,000)、

ソフトウエア業で2,400,000円(1~2期@1,200,000)

の税負担になりますので、注意が必要です。

2 資金繰り

資本金を決める場合10,000,000円が1つのポイントということをご理解して頂いたと思いますが、低すぎても問題があります。

現行の会社法ですと資本金1円から会社を設立できますが、1円では現実的ではありません。

例 資本金1円で会社設立した場合

現金若しくは預金    1円
パソコンの購入  150,000円
→ △149,999円 になってしまいます。

上記例ですと、購入して直ちに誰かから借入をしなければ会社が継続できませんし、会社を設立し、パソコン購入した時点で債務超過になってしまいます。

では、いくらが適正な資本金か?

私が考える資本金の適正額は固定費の3ヶ月~6ヶ月だと思っております。
(固定費とは簡単に言いますと、売上が0円でもかかる支払のことです。
家賃、携帯代、水道光熱費、事務員給与などがあります。)

このように資本金は10,000,000円未満かつ固定費の3ヶ月~6ヶ月が望ましいですが、金融機関や取引先の関係、その他さまざまな要因を考慮する必要があります。

 

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役員報酬・役員賞与の決定

株主総会議事録

新たに顧問先になった会社で過去の株主総会議事録の有無の確認をすると無い場合がありますが,税務調査で確認されることもありますので、きちんと用意しておきたいところです。

本来、会社は決算を取締役会・株主総会で承認されて確定となりますので、毎期株主総会を開催して、決算を報告していくことが必要です。
また、株主総会では役員の改選がある場合には決議が必要となります。取締役と監査役の任期については定款で定めています。

もし途中で役員の任期を変更している場合は定款変更の議事録が必要となりますので定款、議事録、商業登記簿謄本で役員の任期満了を確認しましょう。
以前は取締役の任期が2年で監査役の任期が4年でしたが、平成18年の会社法施行で取締役と監査役の任期を最長10年まで伸ばすことができるようになりました。

重任登記を怠った場合、100万円以下の過料の制裁がある場合がありますので重任登記を忘れないようにしましょう。

役員報酬の決定

また、株主総会においては決算報告、役員変更とともに役員報酬を決定する必要があります。
事業年度開始の日から3ヶ月以内に毎年開催される定時株主総会で役員報酬の額の改定を行います。

ここで決定した役員報酬はやむを得ない事情がある場合や経営状況が著しく悪化した場合などを除き、次の定時株主総会まで変更しない方が良いでしょう。

この毎月役員報酬が同額の給与を<定期同額給与>と言い損金算入の条件となります。

利益が予想以上に出たため期中で役員報酬を増額したりするとその増額分が損金不算入となり税金の対象となってしまいます。

例えば、3月決算の会社が5月に株主総会を開催し役員報酬を50万円/月と決定したけれども利益がだいぶ出そうなので、

10月~3月までの役員報酬を80万円に増額したらどうなるでしょうか? この場合は、(80万円-50万円)×6ヶ月=180万円が損金不算入となってしまいます。

つまり、会計上180万円は経費となりますが、税金を計算するときにはこの180万円は経費にしないイメージです。

役員に対する賞与

役員に対する賞与は原則損金にすることはできません。
ただし、以下の場合は損金として認められます。

1.  事前に税務署に届出をする。 事前に役員に賞与を出すことを税務署に届出をするのです。これを事前確定届出給与と言います。

届出書の提出期限は株主総会から1ヶ月を経過する日までです。

中小企業の場合事業年度終了の日から2ヵ月以内に株主総会を開催することが多いと思いますので、

事前確定届出給与は事業年度終了の日から3ヶ月以内に提出しなければなりません。

例えば、3月決算の会社がH30年7月とH30年12月に役員賞与を出したい場合は、H30年5月の株主総会にて同時期に役員賞与を出す旨を決議し、

株主総会の1ヶ月以内のH30年6月に事前確定届出給与を税務署に届出すると、H30年7月とH30年12月に役員賞与を出し損金にすることができます。

 

2. 使用人兼務役員に対する使用分賞与

役員であっても使用人部分の性格が強い「使用人兼務役員」である場合、その使用部分に対する賞与は損金にすることができます。 ただ、誰もが使用人兼務役員になれるわけではないので注意が必要です。
使用人兼務役員とは、役員のうち部長、課長、その他法人の使用人としての職制上の地位を有し、かつ、常時使用人としての職務に従事する者をいいます。

役員であっても使用人部分の性格が強い「使用人兼務役員」である場合、その使用部分に対する賞与は損金にすることができます。
使用人兼務役員になれない人は以下の通りです。

・ 代表取締役、代表執行役、代表理事及び清算人
・ 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
・ 合名会社、合資会社及び合同会社の業務執行社員
・ 取締役(委員会設置会社の取締役に限ります。)、会計参与及び監査役並びに監事
・ 同族会社の役員のうち自社株式の所有割合によって判定した結果、一定の要件を満たす役員

 

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契約書等の印紙税 貼る場合 貼らない場合

契約書等の印紙税 貼る場合 貼らない場合

不動産売買契約書、工事請負契約書などの契約書は、印紙税法上の課税文書に該当し定められた金額の収入印紙を貼る必要があります。領収書等の印紙税同様、印紙を「貼る」、「貼らない」間違いやすい事例をいくつか紹介します。

 

① 「合意書」、「覚書」など「○○契約書」という名称がない書類

課税文書に該当するか否かの判断は文書の記載内容が契約の成立等を証明するかどうかで判断します。ですので、「合意書」、「覚書」などでも、相手との契約の成立や変更を証明する「紙」の文章であれば、印紙税法上課税文書に該当し印紙が必要になります。

 

② 「申込書」、「注文書」、「依頼書」などの書類

「申込書」、「注文書」、「依頼書」などは一般的には契約書に該当しないため、印
紙は不要です。

商品券や電子マネーで商品代金の支払いを受けた場合、金銭又は有価証券の
受取書に該当しますので、印紙が必要になります。

 

③ レシートの領収書

レジから発行されるレシートについては、売上代金の受取事実を証する金銭の受取書に該当するため、金額が5万円以上であれば、印紙が必要です。

 

④ 領収書と明細書を発行するときは?

スーパー、飲食店などで、領収書の他に、明細書としてレシートを渡すことがあります。この場合それぞれが金銭の受取事実を証明する書類になるため、金額が5万円以上ですと、領収書、レシートそれぞれに印紙が必要になります。

 

⑤ 「仮領収書」にも、印紙を貼る必要があるのか?

例えば、得意先で売掛金を集金した際に、受取りの証明として仮領収書を発行し、後日、正式な領収書を郵送するような場合があります。この場合の仮領収書ですが、金銭の受取事実を証明するものですから、5万円以上であれば、金銭の受取書に該当するため、印紙が必要です。

 

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領収書に必要な印紙税の基礎知識

領収書に必要な印紙税の基礎知識

印紙税が課税される領収書や、金銭又は有価証券の受取書は、印紙税額一覧表の第17号文書に該当するか否かによって決まります。ここでは領収書等の印紙税の基礎知識を紹介します。

① 受取書とは?

受取書とは、金銭等を受け取った事実を証明するために作成し、その支払者に渡す証拠書類のことです。「領収書」「レシート」「受取書」「預り書」などの他、「代済」「了」「相済」と記入した請求書や納品書、「お買上票」なども該当します。
印紙税額は売上代金か、売上代金以外かによって異なります。

② 売上代金の受取書

資産を譲渡又は使用させることの対価をいい → ・商品代金の売上代金・ 事業用資産の売却代金・事務機器とのリース料などが該当

■売上代金の受取書の場合の印紙税

・5万円未満・・・非課税

・5万円以上~100万円以下・・・200円

・100万円超~200万円以下・・・400円

・200万円超~300万円以下・・・600円

・300万円超~500万円以下・・・1,000円

・500万円超~1,000万円以下・・・2,000えん

*記載金額が1,000万円超の場合は弊社までお問合せ下さい。

③ 売上代金以外の受取書

売上代金以外の受取書とは下記になります。

・本来的に売上代金に該当しないもの → 保険金や借入金の受領、損害賠償金の
受領など
・印紙税法上、売上代金の範囲から除外しているもの → 保険料、公社債の利子、
有価証券の譲渡対価など

*税額は記載金額が5万円以上であれば一律200円になります。

④ 非課税

営業に関しない受取書の場合非課税になります。印紙税における非課税は以下になります。

●医師、歯科医師、弁護士、税理士、公認会計士などの行為
●店舗などの設備がない農業、林業又は漁業を行っている者が自分の生産物を販売する行為
●公益社団法人、公益財団法人の行為
●一般社団法人、一般財団法人で定めにより利益の配当や分配ができないものの行為
●人格のない社団で非営利事業に関して作成する受領書
●個人で事業を離れた私的日常生活に関するもの

 

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領収書等の印紙税 貼る場合 貼らない場合

領収書等の印紙税 貼る場合 貼らない場合

5万円以上の領収書には、記載金額に応じた収入印紙を貼る必要があります。
今回は、印紙を「貼る」、「貼らない」間違いやすい事例をいくつか紹介します。

① Web上で発行する領収書

印紙税は紙の文書に課税される税金のため、電子発行された領収書には、印紙税はかかりません。

② クレジットカード決済などの金銭以外の方法での代金受取時の領収書

クレジットカード決済の場合は、信用取引による売買に該当するため、印紙税はかかりません。

商品券や電子マネーで商品代金の支払いを受けた場合、

金銭又は有価証券の受取書に該当しますので、印紙が必要になります。

③ レシートの領収書

レジから発行されるレシートについては、売上代金の受取事実を証する金銭の受取書に該当するため、金額が5万円以上であれば、印紙が必要です。

④ 領収書と明細書を発行するときは?

スーパー、飲食店などで、領収書の他に、明細書としてレシートを渡すことがあります。

この場合それぞれが金銭の受取事実を証明する書類になるため、金額が5万円以上ですと、領収書、レシートそれぞれに印紙が必要になります。

⑤ 「仮領収書」にも、印紙を貼る必要があるのか?

例えば、得意先で売掛金を集金した際に、受取りの証明として仮領収書を発行し、後日、正式な領収書を郵送するような場合があります。この場合の仮領収書ですが、金銭の受取事実を証明するものですから、5万円以上であれば、金銭の受取書に該当するため、印紙が必要です。

 

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領収書に必要な印紙税の基礎知識

印紙税が課税される領収書や、金銭又は有価証券の受取書は、印紙税額一覧表の第17号文書に該当するか否かによって決まります。

ここでは領収書等の印紙税の基礎知識を紹介します。

① 受取書とは?

受取書とは、金銭等を受け取った事実を証明するために作成し、その支払者に渡す証拠書類のことです。「領収書」「レシート」「受取書」「預り書」などの他、「代済」「了」「相済」と記入した請求書や納品書、「お買上票」なども該当します。
印紙税額は売上代金か、売上代金以外かによって異なります。

② 売上代金の受取書

売上代金の受取書とは資産を譲渡又は使用させることの対価をいい → 商品代の売上代金、事業用資産の売却代金、事務機器等のリース料 などが該当します。
■売上代金の受取書の場合の印紙税額ですが、

記載金額5万円未満は非課税
5万円以上~100万円以下は200円
100万円超~200万円以下は400円
200万円超~300万円以下は600円
300万円超~500万円以下は1,000円
500万円超~1,000万円以下は2,000円になります。
*記載金額1,000万円超は弊社までお問い合わせ下さい。

③ 売上代金以外の受取書

売上代金以外の受取書の税額は記載金額が5万円以上であれば一律200円になります。
売上代金以外の受取書とは下記になります。
・本来的に売上代金に該当しないもの → 保険金や借入金の受領、損害賠償金の受領など
・印紙税法上、売上代金の範囲から除外しているもの → 保険料、公社債の利子、有価証券の譲渡対価など

④ 非課税

営業に関しない受取書の場合、印紙税は非課税になります。印紙税における非課税は以下になります。
• 医師、歯科医師、弁護士、税理士、公認会計士などの行為
• 店舗などの設備がない農業、林業又は漁業を行っている者が自分の生産物を販売する行為
• 公益社団法人、公益財団法人の行為
• 一般社団法人、一般財団法人で定めにより利益の配当や分配ができないものの行為
• 人格のない社団で非営利事業に関して作成する受領書
• 個人で事業を離れた私的日常生活に関するもの

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クレジットカード利用上の注意点

最近では、ポイントが貯まることや使い勝手が良いことで法人名義のクレジットカードを利用される方が多くなってきました。
今回はクレジットカードを利用した際の注意点をご説明いたします。

 

利用明細書では領収書の代わりにならない

国税庁の質疑応答事例では、「クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付する請求明細書等は、そのカード利用者である事業者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が作成・交付した書類ではありませんから、消費税法第30条第9項に規定する請求書等には該当しません。」と回答しています。
消費税法では仕入税額控除ができる領収書には「①その書類の作成者の氏名又は名称②課税資産の譲渡等を行った年月日③課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容④課税資産の譲渡等の対価の額⑤その書類の交付を受ける者の氏名又は名称」が記載されていることが要件となっています。
利用明細書には購入した商品名やサービス内容が記載されていないことが多く「③課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容」の要件を満たしていないことになりますので消費税法第30条第9項に規定する請求書等に該当しないことになります。

 

仕入税額控除の適用を受けるためには

クレジットカードを利用した際に受け取るご利用明細書が領収書の代わりになりますが、これには購入した商品名やサービス内容が記載されていないことが多いので実際には別途レシートや領収書をもらう必要があります。
処理としてはクレジットカードの利用時にもらったご利用明細書とレシートや領収書をまとめておき、クレジットカード利用明細書が届いたら領収書を添付していく方法が経費の2重計上も防げるので良いかと思います。

 

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