インボイスの「消費税80%控除」、実は今年9月で終わりなんです ― 外注が多い会社ほど要注意!
顧問先の業績向上、黒字化を本気で考えている税理士事務所
「会社設立、創業融資に強い税理士」横浜市神奈川区のウィズグロース会計事務所です。
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こんにちは!
顧問先の業績向上、黒字化を本気で考えている税理士事務所、「会社設立、創業融資に強い税理士」横浜市神奈川区のウィズグロース会計事務所です。
いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。
さて、今回のテーマはズバリ「インボイスの経過措置」。……と言うと、
「あー、あったね、そういうの」「うちは経過措置があるから当面は大丈夫でしょ」と思われた方、ちょっと待ってください。
実はその“当面”、もうすぐ終わります。しかも、この2026年10月から、
地味だけど確実にジワジワ効いてくる変化がスタートするんです。
今日は、私が実際に担当したお客様のエピソードも紹介しながら、この経過措置の縮小が現場のお財布にどう響いてくるのか、できるだけわかりやすくお話しします。
そもそも「経過措置」とは
インボイス制度では、原則として、適格請求書(インボイス)を発行できない免税事業者などへの支払いは、消費税の仕入税額控除ができません。
ただし、制度開始でいきなり全額が控除できなくなると影響が大きいため、当面は「一定割合だけは控除してよい」
という緩和措置が設けられています。これが経過措置です。
制度開始からの最初の3年間(令和5年10月〜令和8年10月)は、支払った消費税相当額の80%を控除できました。
裏を返せば、控除できない残り20%は、そのまま自社の負担増になっていた、ということです。
実際にあった話:社長お一人の建設会社のケース
私が担当している、ある建設会社のお客様のお話です。
社長お一人で切り盛りされている会社で、
実際の工事は複数の外注さん(一人親方)に頼っています。ところが、
その外注さんは全員が免税事業者(非適格事業者)でした。建設業では珍しくない構図です。
経過措置(80%控除)で計算してみたところ、控除できない2割部分の影響額は、年間でおよそ60万円にのぼりました。
「たった2割」と言葉で聞くと小さく感じますが、金額にすると60万円。
社長お一人の会社にとって、この差は決して小さくありません。社長も「2割の重み」を、はっきりと実感されていました。
そして問題は、この負担が、これから増えていくということです。
2026年10月から、控除割合は「70%」へ。その先も段階的に縮小
令和8年度の税制改正で、この経過措置は適用期限が延長されたうえで、控除できる割合が次のように見直されました。
<控除できる割合のスケジュール>
- 2023年10月〜2026年9月 … 80%控除(負担は2割)
- 2026年10月〜2028年9月 … 70%控除(負担は3割)← 今回のスタート地点!
- 2028年10月〜2030年9月 … 50%控除(負担は5割)
- 2030年10月〜2031年9月 … 30%控除(負担は7割)
- 2031年10月〜 … 控除廃止(負担は10割)
つまり、これまで「2割」で済んでいた負担が、2026年10月からは「3割」に。
その後も5割、7割と増え、最終的に令和13年(2031年)10月には経過措置そのものが廃止され、
免税事業者への支払いに含まれる消費税は、まったく控除できなくなります。
先ほどの建設会社なら、影響額はこう変わります
同じ外注費の水準(80%措置で影響額60万円だったケース)で、そのまま何も手を打たなかった場合、負担額はこう推移します。
- 80%のとき … 約60万円
- 70%になると … 約90万円
- 50%になると … 約150万円
- 30%になると … 約210万円
- 控除廃止後(0%)… 約300万円
同じ取引を続けているだけなのに、負担は60万円から、最終的には300万円へ。
「気づいたときには5倍」になりかねない、というのが経過措置縮小の怖いところです。
今のうちにやっておきたいこと
負担が本格化する前の今こそ、落ち着いて手を打てるタイミングです。特に、外注先や仕入先に免税事業者が多い会社は、次の3つを確認しておきましょう。
- まずは「影響額」を正確に把握する
自社が免税事業者にいくら支払っていて、控除できない部分が今後どれくらい増えるのか。数字にして初めて、対策の必要性と優先順位が見えてきます。
- 外注先・仕入先の状況を確認する
その取引先は課税事業者になる予定があるのか、免税のままなのか。取引先とのコミュニケーションが、今後の方針を決める前提になります。
- 価格や契約のあり方を見直す
負担増をどう扱うか(自社で吸収するのか、取引条件を見直すのか)は、取引先との関係も踏まえて慎重に検討すべきテーマです。なお、免税事業者との取引条件の見直しは、独占禁止法・取適法上の配慮も必要になるため、一方的な対応には注意が必要です。
「知らないうちに増えていた」を防ぐために
インボイスの経過措置は、多くの会社にとって「あることは知っているけれど、割合や期限までは正確に押さえていない」制度ではないでしょうか。
しかし今回見てきたように、その割合の変化は、会社の利益にダイレクトに効いてきます。
私たちは、こうした「じわじわ効いてくる負担」を、数字で見える形にして、一緒に対策を考えるお手伝いをしています。「うちの場合はいくら影響が出るのか知りたい」という段階からで構いません。負担が大きくなる前に、ぜひ一度、現状を整理してみませんか。
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