夏賞与、適正だった?冬賞与に向けて確認したいポイント

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7月は、賞与に関するご相談を多くいただきました。
夏の賞与はすでに支給済みという会社も多いかと思いますが、「今回の賞与額は適正だったのか」「冬の賞与では何を基準に考えればよいのか」を確認するきっかけとして、賞与の決め方を整理しておくことは大切です。
今回は、賞与を決める際に確認したいポイントを解説します。

 

1.「何か月分」より先に、支給できる総額を確認する

賞与というと、「給与の1か月分」「基本給の2か月分」といった考え方をすることが多いかもしれません。

もちろん、何か月分という考え方は分かりやすく、従業員にも説明しやすい方法です。

 

ただし、会社ごとに利益や資金繰りの状況は異なります。
他社の支給月数だけを参考にして賞与を決めると、自社にとって負担が大きくなりすぎることがあります。

 

そのため、まずは会社として無理なく支給できる総額はいくらかを確認することが大切です。

総額を確認したうえで、従業員ごとにどのように配分するか、結果として何か月分程度になるかを考える方が安全です。

 

弊社では、賞与の支給総額を検討する際に、労働分配率という指標を参考にすることがあります。
労働分配率とは、会社が生み出した利益や付加価値のうち、どのくらいを人件費に使っているかを見る指標です。

賞与も人件費の一部であるため、すでに給与や社会保険料などでどの程度の人件費を支払っているかを確認したうえで、追加で支給できる金額を検討します。

 

2.「利益」と「資金繰り」を切り分けて考える

試算表や決算書で利益が出ていても、必ずしも預金残高に余裕があるとは限りません。

たとえば、次のようなケースがあります。

  • 売上はあるが、まだ入金されていない
  • 仕入や外注費の支払いが先に発生している
  • 借入金の返済が毎月ある
  • 法人税や消費税の納付が控えている
  • 社会保険料や源泉所得税の支払いがある

このような場合、会計上は利益が出ていても、実際に使える現金は思ったより少ないことがあります。

賞与を決める際は、利益だけでなく、

賞与を支給した後に預金残高がどうなるか
その後の納税や借入返済に支障がないか

というところまで確認しておくことが重要です。

 

3.社会保険料を含めた会社負担額で考える

賞与を支給するときは、従業員に支給する金額だけでなく、会社負担の社会保険料も考える必要があります。

 

たとえば、従業員に賞与を300万円支給する場合でも、会社から出ていくお金は300万円だけではありません。
健康保険料や厚生年金保険料などの会社負担分も発生します。

そのため、賞与を決めるときは、

従業員への賞与支給額 + 会社負担の社会保険料

を、会社全体の負担額として確認する必要があります。

「従業員にいくら渡すか」だけでなく、会社から実際にいくら資金が出ていくかを見ることが大切です。

 

4.賞与とベースアップは「性質」が違う

賞与とあわせて、ベースアップについてご相談いただくこともあります。

ベースアップとは、毎月の給与を引き上げることです。

賞与は、業績に応じて支給額を調整しやすいものです。
一方で、ベースアップは毎月の給与が上がるため、来期以降も続く固定費になります。

 

一時的に利益が出た場合は、まず賞与で還元する。
継続的に利益を出せる見通しがある場合は、ベースアップを検討する。

このように分けて考えると、判断しやすくなります。

 

まとめ

賞与は、従業員への感謝や業績還元として大切な制度です。
だからこそ、会社の継続性を損なわない「適正な範囲」を見極めることが大切です。

賞与を決める際は、

  • 会社として無理なく支給できる総額はいくらか
  • 賞与支給後の資金繰りに問題はないか
  • 社会保険料を含めた会社負担額はいくらか
  • ベースアップではなく、まず賞与で還元する場面ではないか

を確認することが大切です。

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